西武が今オフ、菊池雄星投手(27)のポスティングシステム(入札制度)を利用したメジャー挑戦を認める方針であることが16日、分かった。今季の菊池は左肩の不調もあったが復調し、ここまで9勝2敗、防御率3・20。10年ぶりのリーグ優勝、日本一を目指すチームのエースとして安定感を発揮している。球団は数年来の働きを認め、夢を後押しする意向だ。

 大リーグ公式サイトが15日、西武菊池の今オフメジャー移籍の可能性を伝える記事を掲載した。多くのメジャー球団幹部が、今季終了後のポスティングシステムで菊池が獲得可能になると見込んでいるという。メジャーでの菊池への評価は高く、同記事は「96マイル(約155キロ)に達する球速は左腕では珍しく、複数の球団スカウトが、万全なら先発2番手の実力に匹敵するとみている」としている。

 記事では楽天ハーマンのインタビューが掲載されており、ハーマンは西武の選手から聞いた菊池の人柄について「彼らは全員、菊池の練習や試合へ取り組む姿勢は一流だと声をそろえていた」と称賛。さらに、菊池の肩の故障歴が不安要素とも挙げているが「その分、今季は変化球に自信を増した。肩が完全に戻ればプラスになる」と指摘した。

 ◆ポスティングシステム プロ野球選手が海外フリーエージェント(FA)資格取得前に米球界に移籍できる制度。今年のオフからは選手が結んだ契約の総額に応じて日本球団への譲渡金の額を決める方式に変更され、例えば契約総額が2500万ドル(約27億5000万円)以下なら譲渡金はその20%。契約総額が1億ドル(約110億円)なら、譲渡金は約1700万ドル(約18億7000万円)になる。申請開始時期も短縮され、11月1日から12月5日に手続きを行い、その後30日間の交渉期間に入る。