7回に登板した阪神藤川が、史上16人目の通算700試合登板に到達した。マウンドを降りると花束を受け取り、高々とスタンドに掲げた。「いい人生ですね。お客さんに喜んでもらえるのが一番。飽き性だけど、なぜだか野球だけは(続けて)できる。なんとも思えない気持ちです」。3者凡退の完璧な投球でリズムをつくり、その裏のダメ押し点につなげた。

山本和行氏の持つ球団記録にも並んだが「目標にしてたわけでもない」と笑う。「とにかく次の1歩を考えて、準備している。終わったことは忘れて、次へ次へと頑張っていきたい」。見据えるのは歓喜の瞬間だ。昨オフにポツリと漏らした。「(優勝すれば)もう、いつでもユニホームを脱げる」。今季は覚悟を決めた単年契約で迎えた。再び追いかけた夢を見る日まで、藤川は走ってマウンドに向かう。

▼通算700試合登板=藤川(阪神) 1日のDeNA18回戦(甲子園)で7回からリリーフ登板して達成。プロ野球16人目。初登板は00年3月31日の横浜1回戦(横浜)。阪神で通算700試合登板は山本和に並ぶ球団タイ記録。