プロ志望届の提出を決断した金足農(秋田)の吉田輝星投手(3年)に対し、プロ各球団が一様に好反応を示した。中でもDeNAと楽天が今夏甲子園準優勝の152キロ右腕への高い評価を隠さず、今月25日に行われるドラフト会議の目玉に躍り出た。吉田本人は10日に会見を行い、心境を語る。

プロ入りの大きな決断を終え、吉田は元気いっぱいに練習した。昼までテストを受け、午後に金足農のグラウンドに姿を見せた。笑顔を見せながら、リラックスした様子でストレッチ。後輩たちに30分ほどノッカーを務めると、ボールを握った。

左手でキャッチボールを始め、右手に変えてから徐々に距離を伸ばしていった。7割程度の力でも、70メートル先の的までライナー軌道の強いボールが失速しない。じっくりと30球ほど投げ込んで、日が暮れた午後5時30分に引き揚げた。

しっかり考えて決めた。当初は八戸学院大に進学予定だったが、甲子園の快投で時の人となり、進路がクローズアップされた。2日に福井国体を終え帰郷すると、家族、中泉一豊監督(46)と話し合った。父の正樹さん(43)は国体の会場で「自分が責任を持って決めた進路については尊重したい」と話しており、最後は本人の思いを受け止めた。

プロ側は大歓迎だ。総合力の高い右の本格派で、甲子園のスター。25日のドラフト会議で複数球団から1位指名される可能性が極めて高い。即座に反応したのは東北を本拠地とする楽天と、DeNAだ。

楽天の石井GMは「評価は変わらない。素晴らしい投手。1巡目で消える。バランスを考えて決めたい」と高い評価をあらためて強調。さらに踏み込んだのはDeNAの三原球団代表で「間違いなく1位候補! 体ができて、修正するところを修正すれば、すぐに上で通用するという評価。高田GMの評価も高い。お客さんも呼べるけど、実力で評価している」と断言した。

週明けの10日、金足農の体育館で「吉田投手の進路に関する記者会見」が行われる。ドラフトの目玉に躍り出た剛腕がプロ入りの決意を語る。