明大の渡辺佳明内野手(4年=横浜)が立大戦で2安打し、ドラフト会議直前に猛アピールだ。これでリーグ通算94安打。4割1分7厘で打率で首位に立つ「安打製造機」の活躍で、延長11回の末、立大に3-1で先勝した。

リーグ通算94安打目は、渡辺佳らしい一打だった。延長11回。犠飛で1点を勝ち越しなおも1死二塁で、三遊間へ流し打ちした。「(逢沢)崚介が二塁へ走って三遊間が広くなったので、そこを狙った。うまく打てたかなと思う」。4年間で三振はわずか17と圧倒的に少ない。6球団のスカウトが見守る中、持ち前のスキルを見せつけた。

4回には引っ張って、先制の起点となる右前打を放った。初回の第1打席よりも打席では少し前に立った。「中川のフォームが春よりゆったりしていたので、足も遅く上げてタイミングを取る工夫をした。打席で修正できるようになったと思う」。1年春からレギュラー出場し、経験値を上げた。

今年から遊撃手に初挑戦し、春はベストナインも獲得した。この日も好プレーを見せ、祖父で横浜(神奈川)前監督の渡辺元智氏(73)もスタンドで笑顔を見せた。プロ7球団から調査書が届き、初の首位打者の夢も広がる。「100安打に首位打者、ドラフト…いろんなポイントがたくさんあるけど、神宮で明治大学のユニホームを着て野球をやるのは明日が最後。悲しいけど勝って終わりたい」と集大成を見せる。【和田美保】