<日本S博多の陣>

69年の歴史の中で初顔合わせ同士の対戦になった平成最後の日本シリーズは、第3戦からヤフオクドームに戦いの場を移した。マツダスタジアムでの2試合に続き、両チームの話題などを「日本S 博多の陣」と題して、探ります。

激しい打ち合いになった第3戦は、パの本拠地でDH制が採用された。先発メンバー中、ソフトバンクは20代4人だったのに対して、広島は7人。両チームともベンチ入り野手は16人で、年齢層(年齢は本年度終了時点)を比べるとチームの現状が浮かび上がる。

<ソフトバンク> 

◆30代(10人) 高谷(37)、内川(36)、松田宣、川島(35)、長谷川勇(34)、明石、グラシアル(33)、デスパイネ(32)、柳田、福田(30)

◆20代(6人) 中村晃(29)、今宮、西田(27)、甲斐(26)、上林(23)、栗原(22)

<広島>

◆30代以上(4人) 新井(42)、石原(39)、松山(33)、会沢(30)

◆20代(12人) 丸、安部、田中、菊池(29)、上本(28)、バティスタ(27)磯村、野間、メヒア(26)、鈴木、西川(24)、曽根(23)

主力の多くが30代のソフトバンクに対して、広島は20代が主力を張る。20年ほど前から松田オーナーの考案で、「年表」と呼ばれる選手の年齢表を作成。ポジションごとに「薄い年代」を整理し、ドラフト指名の指針にする。

スカウト歴42年の苑田スカウト統括部長は「カープアカデミーなどから来る外国人の年齢も入っている」と年表で補強ポイントが明確になる。例えば今年なら「タナキク」コンビがいる二遊間に即戦力内野手は必要ない。報徳学園・小園のような高校生を指名して、育成型のチームとして年齢バランスを重視する。

これまでFAで獲得した選手はソフトバンクが12球団2位の計13人(1位は巨人の24人)に対して広島は0人。ソフトバンクは27歳今宮と23歳上林の間の世代などが出てくれば、野手の層はさらに厚みを増す。ただ…そんな状況の中でも、32歳デスパイネが4打点、30歳柳田が2打点を挙げて打ち勝った。【前田祐輔】