オリックスから育成1位で指名された新潟医療福祉大の漆原大晟投手(22)が、30日に始動した。同大野球部の練習再開に合わせて特別に合流。プロへの助走に踏み出した。直球の最速151キロの右腕は支配下登録選手入りへの挑戦を開始した。

漆原投手は、後輩の庭山希投手(3年=小出)をつかまえてキャッチボールを始めた。硬球を握るのは20日の秋季関甲新学生リーグ最終戦以来。当面の目標は育成から支配下登録入りだが、練習再開初日は軽い調整のアイドリング状態に終始した。「(オリックスへの)合流初日から100%の力が発揮できるように体を作っておきたい」。トレーニングのピッチは今後、加速度的に上げていく。

オリックスに育成1位で指名された後は、燕市の実家に戻り休養に努めた。「次に向けたスタートとして、ちょうどいい」と練習再開は野球部の来季に向けた始動と同時に。後輩たちはミーティングから全体練習なしで自主トレに入ったが「邪魔にならないようにしたい」と後輩への気配りを忘れなかった。

12月提出の卒論は「投球について」書く準備を進めている。春季、秋季で登板した投球データを調べ、その前の調整内容と照らし合わせて自分の投球を考察する。今後はトレーニングと卒論の2面から、プロ生活へ向けた下ごしらえ。「プロの世界に飛び込むからには覚悟を決めたい」と漆原は力強かった。【涌井幹雄】

◆オリックスの過去の育成選手 育成ドラフトで入団した選手は昨年まで17人で、支配下登録されたのは梶本、塚田、榊原の3投手と、外野手の西川の4人。今年支配下となった榊原は登板5試合も未勝利で、梶本、塚田も1軍では0勝。