ぐるぐる巻きのテーピングは、努力の証しだ。日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が1日、沖縄・国頭で行っている秋季キャンプのテーマを“マン振り”に定めた。フリー打撃では43スイング中、3本の場外弾を含む12本の柵越えを披露。「きれいにバットが振れているし、いい形で打球が飛んでいる」と、日焼けした顔に充実感を漂わせた。

周囲をヒヤリとさせたのは、一瞬だった。フリー打撃前のティー打撃中、両手を気にするそぶりを見せて、一時練習を中断。ベンチ裏へと引き上げたのだ。数分後、何食わぬ顔でグラウンドに戻って練習再開。原因は右手のひらにできたマメだった。「マメは嫌ですけど、バットを振ることが大事なので。キャンプ初日で、けっこうできちゃいました」と苦笑い。飛躍のために、秋はバットを振ることを習慣づけると決めており「(バットを振る)数ではなく、毎日、満足するまで振りたい」と覚悟を口にした。

体の張りで予定していた全体練習後の特打を回避したものの、今日2日以降の練習に支障はないという。状況に応じた打撃の必要性も、この1年で痛感した。実りの秋。泥だらけになりながら、しっかりと力を蓄えている。【中島宙恵】