アイドリング投法や! 阪神才木が矢野監督から「投球の間合い」を指摘された。ブルペンで53球を投じた後、指揮官から身ぶり手ぶりで力説された。今季は捕手の球を受けてからの時間が長く、間延びして打たれる悪循環に陥っていた。「いいときはリズム良く投げられていた。悪いときは自分の間合いで投げられなかった」と才木自身もうなずいた。

指揮官の説明も分かりやすい。「まずは修正能力が上がると思う」と話し、車に例えて「投げてエンジンを1回切りました。でもまたかけて球を投げるとなると、指先にも体にも何も残らないと思うのよ」と説明。エンジンがかっている状態なら抜け球の直後でも「抜けにくいと思うし、修正しやすいと思う」と続け、時短を求めた。

立ち会い勝ちの効果もある。「投手のリズムで入れれば、その時点では勝負の優先権はこっちにあると思う」と指揮官。捕手ならではの視線で助言を送った。「エースになれる可能性を十二分に持った選手」と評価を受けた才木も「自分のなかで最適な時間を見つけたい」と腕を回した。来季は間を制して、勝負を制する。【池本泰尚】