日本ハム岸里亮佑外野手(23)が6年目の来季へ、打撃に磨きをかけている。10月にコロンビアで行われたU-23ワールドカップ(W杯)日本代表として準優勝に貢献。日の丸を背負った男は、8日も千葉・鎌ケ谷の2軍施設で打撃練習などで汗を流した。

10月中旬にW杯代表合流後、1つのきっかけをつかんだ。打撃時に足を上げてタイミングを取っていたが、体が投手方向に開くクセがあった。稲葉監督からノーステップの「べた足ロングティー」を提案され、実践すると自然と体が開かなくなり、強い打球を打てるようになった。「開きを抑えられたことで自分の感覚が戻ってきた」。大会中9試合に先発し、6安打1本塁打と結果も残し手応えをつかんだ。

花巻東では大谷の1学年下で、14年の1軍デビュー戦では初安打初打点をマークした。だが、プロ5年間の通算は9試合で4安打、打率2割3分5厘。今季は相次ぐ故障に悩まされ、7月の2軍戦で実戦復帰と苦労した。それだけに、この好感触を忘れたくない。帰国後の11月上旬から「べた足ロングティー」を再開、オフも集中的に取り組むつもりだ。「ルーティンにすれば不調の波も小さくなると思う」と効果を口にした。

環境も変える。年内までに退寮し、1人暮らしを始める。「自立と自覚を持つというのをふまえて。外食も極力しないように頑張ります」と笑う。目標は、この日、2度目のゴールデングラブ賞に輝いた西川。「プレースタイルが理想ですし、超えなきゃいけない壁」。「侍」で得た経験を生かし、熾烈(しれつ)な争いに殴り込みをかける。【山崎純一】