中日は10日、韓国プロ野球・サムスンがキャンプを張る沖縄・恩納村立赤間総合運動公園野球場で合同シート打撃を行った。今回の試みは、中日の89年ドラフト1位の与田剛新監督(52)と、91年1位のサムスン落合英二投手コーチ(49)が旧交を温める中で実現した。

中日の沖縄北谷秋季キャンプは投手陣10人だけの小所帯。ブルペンや守備練習はできても、野手がいないため実戦はできない状況だった。しかし、新指揮官は不可能を可能にした。同じ沖縄でキャンプを張る三星にはともに竜のドラ1だった後輩落合がいる。連絡を取り、合同シート打撃をあっさり決めた。

又吉、三ツ間、鈴木博、藤嶋が登板。それぞれ打者6人と対戦。合計5被安打(1本塁打含む)1四球と善戦した。「疲れている状態で、どれだけ投げられるかが見たかった。大暴れもなく、いいものが見られた」と与田監督も初実戦に手応えを感じていた。「こちらもいい練習をさせてもらった」と落合コーチも現役時代と変わらない柔和な笑顔を見せていた。13、14日も同球場で、合同シート打撃を継続。20年以上の時を超えてつながった竜の絆が、若竜たちの成長の礎になる。

中日又吉(打者6人に18球を投げ2安打)「左打者にあれだけ差し込めたのは、いまやっている方向性が間違ってなかったと思えた。クイックの精度をもう少し上げたい。課題が見つかった」

中日藤嶋(打者6人に25球、無安打1四球)「真っすぐが良かった。変化球の精度が悪かった。もう1回やりたいです」