ソフトバンクのドラフト1位、東洋大・甲斐野央(ひろし)投手(21)が、今をときめく甲斐キャノンと「カイカイバッテリー」を組むことを熱望した。11日、育成を含むドラフト指名11人のうち7人が、宮崎秋季キャンプを見学した。

09年に明豊の今宮ら九州の高校生新人が見学に訪れたことはあるが、それ以降はなく、全国から集合することは異例。投手、野手に分かれて見学し、甲斐野はブルペン後方からプロの投球練習を熱心に見つめた。

甲斐野は日本シリーズで6連続盗塁阻止の甲斐について聞かれると「本当に育成だったのかと。すごいです。盗塁も刺せる、(ワンバウンド投球を)ストップさせるのも一流。そういう捕手(相手)に投げられることは幸せ。任せっきりではなく意思疎通ができるバッテリーになりたい」と目を輝かせた。甲斐と名字が似ているため、周囲からは「カイカイバッテリー」と早くも呼ばれている。甲斐野は「(今は甲斐に対して)失礼じゃないかと思いますが、早くそうではなくなるようになりたい」と、コンビ名自体はお気に入りのようだ。

甲斐野は最速159キロの速球とスプリットで、中継ぎの即戦力、そして将来の抑え役を期待されている。捕球技術の高い甲斐と組めば、安心して低めに投げ込むこともできる。他球団の俊足ランナーも、塁上にくぎ付けにする、難攻不落のバッテリーが誕生することになる。

初めて対面した工藤監督は「体が大きいね」と、驚きながら歓迎してくれた。プロの厳しい練習を目の当たりにした甲斐野は「甘えていられない。気持ちを抜くことなく、自分に厳しく」と、来年1月の合同自主トレまでに走り込みと体幹強化に打ち込むことを誓った。【石橋隆雄】