安芸キャンプにセ界の強打者が勢ぞろい!? 矢野阪神が12日、秋季キャンプで「珍ノック」を敢行した。1死一、三塁を想定したシートノック。捕手が「バレンティン」などと1球1球セ・リーグのライバル球団の打者を挙げ、ノッカーが打者になりきって内外野ノックを行う斬新な守備練習だ。

まずはヤクルト山田哲の鋭い打球が左中間に飛んだ。続いて中日大島と巨人阿部は痛烈に引っ張って右前へ。DeNAロペスが深々と左中間を破ると、巨人小林は意表を突くスクイズだ。

矢野監督は「練習の練習になりにくいやん。打者走者がどれくらいの足で、二塁まで行かさんとかね。まあ、すごく良かったと思う」と目を細めた。選手側も実戦をより意識できたと評判は上々。梅野は「極端な選手でやってるし。足の速い遅いとか、ある程度みんな把握してるから。打者走者の動きも想定できる」とナインの感想を代弁した。

最後の打者はまさかの「糸原」だった。そして打球は糸原から二塁を守る糸原へ。練習を見守るファンの笑いを誘いながらも、きっちり併殺で締めた。筒井コーチは「少し変化を加えることで、集中力も上がるし、取り組む姿勢も維持できる」と珍練習に手応えを感じていた。【古財稜明】