来季もキャプテンは任せた。日本ハム栗山英樹監督(57)が15日、中田翔内野手(29)の主将続投方針を示した。秋季練習が行われた2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で、「1年で(主将の役割を)終わることは、あまりないから」と発言。3年契約で海外FA(フリーエージェント)権を行使せずに残留を決めたチームの顔に、来季も大役を託す考えを明かした。

心の中では決まっている。栗山監督は来季の主将について問われると、ニヤリとして答えた。「まだ、考えてねぇや。まあ、でも、1年で終わることは、あまりないから」。独特の言い回しで、来季もキャプテンの役割は中田に託す考えを明かした。

双方の思いは一致している。中田は13日に海外FA権を行使せず、3年契約で残留を表明。会見で、主将続投要請があれば「引き受けてあげてもいい」と“中田節”で快諾の意向を示していた。来季も左胸に「C」マークを付けて戦うことになりそうだ。

残留会見後、栗山監督は中田と電話で話したという。「チームにとっても大きい」。感謝の思いを伝えると同時に、監督就任時から掲げる目標の遂行へ思いを新たにした。「中田翔が本当に爆発しないといけないと、監督になってからずっと言ってきた。このテーマはクリアされていない。こんな数字の選手じゃない。この3年間で、やり尽くさないといけない」と、強い口調で言った。

極度の不振に襲われた17年シーズン後にキャプテンを任せることを決めたのも「どんなことをしても結果を残させる。全て、あいつに背負わせることがいいと思った」から。16本塁打、67打点だった昨季から、今季は25本塁打、106打点と復活。しかし、チームは3位に終わった。中田に求める結果は、こんなものじゃない。「本当に厳しく。それが本当の愛情なので。そうすれば、必ずチームは勝つ」。監督と4番として歩んで来季で8年目。再び主将を託し、まだ見ぬ覚醒した中田の姿を引き出す。【木下大輔】