阪神高橋遥人投手(23)が、ルーキーイヤーのリベンジを誓った。西宮市内の球団事務所で20日、初の契約更改交渉に臨み、100万円増の年俸1300万円でサインした。「早い段階でケガして、チームが苦しい時にファームでも投げられなかった。全く戦力になれなくて申し訳なかったと思います」。静かな口調に悔しさがにじんだ。

17年ドラフト2位で亜大から入団し、4月11日の広島戦(甲子園)で1軍初登板。7回を2安打0封し、阪神新人では1959年(昭34)の村山実以来、59年ぶりの甲子園先発デビュー勝利を挙げた。だが華々しい幕開けとは裏腹に、6月中旬に左肩のケガから出場選手登録抹消。その後は再昇格なく、登板6試合、2勝3敗でシーズンを終えた。

プロのパワーを実感し、屈辱も味わった。「自分のボールの威力がバットの力に負けてると、ホームランも打たれて分かった」。デビュー2戦目の4月22日巨人戦(甲子園)では岡本にバックスクリーン弾を浴びた。4回0/3、9安打7失点で降板した苦い試合。「みんなすごいバッターなので、力もないというのが十分分かった。来年は岡本選手だけじゃなく、打者に投げ負けないように頑張りたい」。来季は真っすぐを磨き、男の意地を示す覚悟だ。

長らく2軍でノースロー調整を続けたが、10月中旬にキャッチボールを再開。この日も鳴尾浜で感触を確かめながら投げた。「早い段階でケガして、ずっと投げられなかった。来年はケガをしないようにしていきたい」。強い体を手に入れ、矢野阪神の勝利に貢献する意気込みだ。【磯綾乃】(金額は推定)