丸に3つのお願い! ロッテが22日、広島からFA宣言した広島丸佳浩外野手(29)と都内のホテルで初交渉を行った。

井口資仁監督(43)を筆頭に球団幹部ら5人で出向き、熱意を伝えた。当初4年20億円だった条件は6年総額25億円規模に上積みして提示。選手としての成績、リーダーシップ、地域振興への貢献と、移籍後に求める3つの役割を本人に直接訴えかけた。

都内を一望できる高層ホテルの一室で、井口監督は丸と初対面を果たした。約40分間にわたって熱意を伝え、丸からの質問にも快く応じた。「一緒に戦ってほしいという思いを伝えさせてもらいました。短い時間でしたが、お会いできて本当に良かった」と実りある会談を振り返った。

戦力としてはもちろんのこと、球団が丸に期待する役割は3つある。

(1)成績面でチームを引っ張ってほしい

(2)若い選手の精神的支柱になってほしい

(3)地元・千葉の地域振興に協力してほしい

ロッテがどれだけ丸を必要としているか-。誠意を込めて井口監督のほか林球団本部長、山室球団社長、松本編成部長ら5人で足を運んだ。良縁を願って験も担いだ。会場は5年前、西武から涌井をFAで獲得した際の交渉と同じホテル、同じ部屋。末広がり88平方メートルのスイートルームだ。

当初は4年総額20億円を用意していた契約条件も弾んだ。6年総額で25億円程度に上方修正。林球団本部長は「オーダーがあれば、考えられるものは考えます」と可能な限り要望に応える心づもりでいる。

丸からはZOZOマリンの利用可能時間など練習環境、住環境について積極的に質問があった。練習熱心な性格がかいま見え、山室球団社長は「あれだけ実績があるのにまじめで謙虚。(ロッテに対し)好意的だったと思いますね」と人となりにも好印象を抱いた。秋季キャンプ地である鴨川市の隣、勝浦市出身で、林球団本部長も「千葉への愛を感じた」とうなずいた。

次回は提示を受けてのレスポンス待ちとなる。井口監督は「いま1度、わがチームでリーダーとして引っ張ってほしい、優勝するための力になってほしいという思いが強くなりました」。“恋人”への愛を一層強くして、返答を待つ。【鎌田良美】