西武渡辺久信シニアディレクター(SD)兼編成部長は23日、FA宣言している炭谷銀仁朗捕手から他球団移籍の意思を伝えられたことを明らかにした。16日に交渉を行った巨人入りが、確実になった。

渡辺SDは「先ほど、炭谷選手と話しまして、FA権を使って他球団に移籍したいという話をもらいました。野球人として、もう1回、勝負したいという話でした。非常に残念です。うちとしても、なんとか残留して欲しかったですが、これもFA権なんで、本人の決断を尊重するしかない」と話した。

炭谷は16日に巨人と初交渉。宮崎キャンプ参加中の原監督とは対面できなかったが、大塚球団副代表兼編成担当にメッセージが託され「優勝するために、捕手の要である炭谷選手がどうしても欲しい」との熱い思いを伝えられた。3年総額6億円(推定)の提示を受けた模様で「熱い気持ちを伝えていただいた。これからいろいろ考えるが、今の段階では原監督からそう言っていただいたのは、うれしく思います」と話していた。

西武からも宣言残留を認められ、愛着ある球団への思いもある一方で挑戦の本能と葛藤。「長引かせたくはないけど、じっくり考えて、自分の中でいい決断を下せればと思う」と複雑な胸中を明かしていた。

今季10年ぶりのリーグ優勝を果たした西武は、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指す菊池、楽天にFA移籍を決めた浅村に続く主力の流出となった。