広島から国内フリーエージェント(FA)宣言した丸佳浩外野手(29)が11月30日、巨人移籍を表明した。

FA行使表明から3週間あまり。11月30日、丸が答えを出した。広島残留、ロッテ移籍ではなく、巨人への移籍だった。同一リーグのライバルからは5年契約で総額30億円超の大型条件を提示されていた。一番の理由を「野球人として、環境を変えて一から勝負したい」と説明したが、原監督のラブコールが決め手になったことを明かした。

丸 最終的には原監督に「カープのいいものをジャイアンツに持って来てくれればいい」と言われたし、「まだまだ長い野球人生の中で絶対にプラスになるから」と言ってもらえたので。野球人としてレベルアップしていけたらと思った。

決断は都内でゴールデングラブ賞の表彰式を終えた同29日の夜といい、まず広島の鈴木球団本部長に「移籍を決めました」と連絡。そしてこの日の朝にロッテ井口監督に断りと、原監督に「お世話になります」との連絡を入れた。

移籍前提のFA権行使ではなかった。だから広島ファンへの思いを語る顔は少し申し訳なさそうだった。

丸 本当に11年間、こんな選手をずっと応援してくれたのは感謝しています。来シーズンからは敵チームになってしまうけど、いい意味で恩返しができれば。

今季限りで引退した新井貴浩氏からは「寂しいけど俺はずっとお前の味方だ。応援するから頑張れ」と言われたことを明かした。

高校まで千葉で生まれ育った。関東圏に戻り、今度はライバルとして広島の4連覇を阻止する。高額年俸で巨人に移籍となれば、より重圧がかかりそう。それでも「不安はあまりない」と、丸らしく淡々と意気込みを語った。【大池和幸】(金額は推定)