新助っ人はメジャー通算30発のドミニカンスラッガー! 阪神が来季の新外国人野手として、米大リーグのエンゼルスからフリーエージェント(FA)になっていたジェフリー・マルテ内野手(27)を最有力候補として交渉を進めていることが20日、分かった。今季は7本塁打を放つなど、大リーグ通算30本塁打をマークする右打ちの長距離砲。大谷の同僚として日本野球の一端にも触れた。来季、新生矢野阪神の4番候補として期待は大きい。

熟考中だった阪神の外国人打者選定の方向性が定まった。秋からリストアップしていたメジャー通算30本塁打のマルテを筆頭候補として、交渉を進めていることが判明した。今季は01年以来、17年ぶりの最下位。リーグワーストのチーム85本塁打に終わるなど、得点力アップが課題で、スラッガーの絞り込みは重要テーマだった。

マルテは強振して、引っ張り込む豪快な打撃が魅力で、16年には88試合で15本塁打をマークするなど、パンチ力も証明していた。今季は7本塁打にとどまったが、7月16日にメジャー最高級左腕のドジャース・カーショーからアーチを放つなど「大物打ち」の一面も見せた。8月22日にはダイヤモンドバックスの平野からも本塁打。12月にエンゼルスをFAになったあとも、母国のドミニカ共和国でウインターリーグ出場を重ねるなど努力家で、新天地の日本球界チャレンジに向けて、準備を怠らない。

身長185センチ、体重99キロの右投げ内野手は、チームにとって、弱点解消を期待される存在となる。大リーグでは主に一塁を守ったが、三塁や左翼もこなした。主力を打つ福留、糸井ら左打者が多く、球団は「右打ち一塁手」を中心に調査を重ねてきた。今季の新外国人だったロサリオは韓国球界で昨季まで2年連続3割30本塁打100打点の実績を誇り、推定年俸3億4000万円の高給だったが期待外れ。チームの得点力に直結する生命線になることから今オフは代役の選定に慎重を期していた。

調査を重ね、強打が売りの複数の候補選手をリストアップ。12月中旬に米国ラスベガスで行われたウインターミーティングで補強市場の動きを見極めつつ、最終的に早い段階からリストに挙げていたマルテ獲得に向かう決断を下した。チーム再建を図る矢野阪神で4番候補の筆頭格。すでに新外国人として先発のオネルキ・ガルシア投手(29=中日)と救援のピアース・ジョンソン投手(27=ジャイアンツ)を獲得した。マルテも基本合意に近づいているとみられる。新たな仲間を加え、逆襲を期す。