ソフトバンクのドラフト1位、甲斐野央投手(22=東洋大)は見て学ぶ! 福岡・筑後市での新人合同自主トレ。ランニングや体幹トレーニングの合間に、甲斐野の視線は、キャッチボールをしていた千賀に注がれた。自身の練習に集中しながら、インターバルの間などにチラリ。「見るのも好きだし、見て学ぶ。取り入れられるところは取り入れたい」という右腕は裸眼で両目視力1・5という鋭い眼光でエースの一挙手一投足を追った。「見てました。あまり凝視しちゃうと、集中されてると思うので…。チラチラと見ていました。(学びたいのは)ピッチングに関して全部」と目を輝かせた。

まだソフトバンク入りが決まる前の大学時代から、千賀には注目していた。動画をチェックするなどし「ここぞといったときに決めにいく球がすごい」。キャッチボールの仕方や投球バランスに目を凝らし「オーラがすごい」と満足顔だ。

全体メニュー終了後にはドラフト2位、杉山一樹投手(21=三菱重工広島)らのブルペン投球を最後までチェック。「(杉山は)体が大きいのにバランスがいい。自分とタイプも近い」と同期からも貪欲に学ぶ。

「人間観察します」という甲斐野は、周りの人の服や髪形が変わればすぐに気がつくという。マウンドでも、相手打者の立ち位置やバットを持つ長さの変化に敏感に反応する。研ぎ澄まされた「カイノ・アイ」で見るものすべてを吸収し、成長する。【山本大地】