2011年以来、8年ぶりに日本球界へ復帰する巨人岩隈久志投手(37=前マリナーズ)が、米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外で自主トレを公開した。

<記者の目>

37歳のベテランとは思えないほど、岩隈はハツラツとしていた。右肩手術から今でこそ順調に回復したものの、17年5月3日を最後にメジャーのマウンドに戻ることはなかった。リハビリ中は、好不調の波と苦闘。復帰目前から何度となく一進一退を繰り返した。日頃は温厚な性格だが、一瞬、ピリピリ感を漂わせることもあった。

ただ、手応えはあったに違いない。昨年9月26日。マ軍退団に際し、本拠地シアトルで現役選手としては異例の始球式が行われた。サプライズで登場した「イチロー捕手」を相手に惜別の1球を投じた後、ポツリと言った。「このまま試合に投げたいと思いました」。投げたい=投げられると解釈した。

忘れられがちだが、米移籍時は中継ぎからスタートした。「何でもチャレンジしていこう。先発にはい上がる気持ちを持ちながらやってこられました」。15年のノーヒッターをはじめ、実績は文句ない。高校卒業以来となる地元東京での再出発。あと30勝と迫る通算200勝へ。今季が転機の1年となるに違いない。

【MLB担当=四竈衛】