もう浮気はしない。ソフトバンク内川聖一内野手(36)が17日、宮崎・日向市での自主トレを公開。08年横浜(現DeNA)時代に打率3割7分8厘で首位打者に輝いたバットを変更することなく、打撃スタイルも内川本来の姿に戻し、再び輝きを取り戻す。

内川が鋭い打球を黙々と打ち続けた。黒のバットは今季から戻した08年モデル。「安心感がある。絶対替えない。同じものを使わないと自分の変化がわからない。感覚をなめていた」。好奇心旺盛な内川は昨季も3~5種類、毎試合バットを変更。楽天藤田からバットを借りて打席に立つこともあった。「これまで18年間でバットを替えていないのは08年くらい。すぐに違うものに頼るというのがあった。それをなくしたい」。昨季の34インチから33・5インチに。わずか0・5インチ短くした。自身最高、右打者歴代最高打率を残したバットと今季は純愛を貫く。

打撃スタイルも見直す。「新しいことを求めておろそかになっていたことをもう一度見つめ直す。右足の粘り、タイミングをきちんと取る、ボールを捕まえるまでのバットの軌道だとか」と、基本に立ち返る。この日もティー打撃では100円ショップで買ってきたゴムボールを右足で踏みながら打った。しっかり踏んで右足に体重を乗せることを意識づけするためだ。

昨季は右膝痛などに悩まされ、移籍後最低の出場71試合。復帰したCS、日本シリーズでもスタメンを外れる日もあった。「今季は全試合出場したい。ケガなく1年間やり通す。出続けていてほしいと、頼りにしてもらえる選手にならないといけない」。表情はすっかり自信を取り戻していた。主力に成長した上林、広島鈴木にもまだまだ負けない内川がいる。【石橋隆雄】

○…内川が、2年ぶりに宮崎・日向市での自主トレに参加した鈴木について「来るたびにスケールが大きくなっている。僕の方が誠也に自主トレに誘ってくださいという感じ。(今後卒業し)チーム鈴木となるまでは、常に新しい刺激を与えられるようにしたい」と話した。練習中も打撃理論を交わすなど、広島の4番に成長した鈴木は、よきライバルとなっている。