初舞台に強い育成出身投手の2年目が注目される。ソフトバンクの大竹耕太郎投手(23)だ。昨年7月30日に支配下登録されると、8月1日の西武戦に先発して初勝利を挙げた。8回を5安打2失点。西武ナインも驚いたはずだ。「えっ、こんなピッチャー、おったっけ(大竹?)」。

育成出身の初登板初勝利は3人目になる。17年の篠原慎平、昨年のメルセデス(ともに巨人)に続いた。もっとも篠原は入団3年目で、メルセデスは2年目。1年目の初登板初勝利は、大竹が初めてだった。学生(早大)から育成と来て、覚醒(かくせい)した初勝利になった。

大学でも初登板初勝利を記録している。1年秋(14年)の開幕戦、法大相手に7回を3安打無失点で抑えた。当時のエース有原航平(現日本ハム)の故障から大竹に先発が回った。「ありったけ(有原+大竹)の力を出した」と説明している。

早い勝利は喜ばしいが、積み重ねていかないとプロでは生き残れない。同じ育成出身の千賀滉大は入団3年目の初勝利ながら、着実に上乗せしてきた。先輩に続きたい。昨年の3勝をどこまで伸ばすか。「大竹、どんだけー」。2年目の躍進を楽しみに待ちたい。【米谷輝昭】