小久保超え45発だ!ソフトバンク柳田悠岐外野手(30)が21日、広島市内の母校・広島経大で自主トレを公開し、球団OBの小久保裕紀氏を超える45本塁打を目標に掲げた。

昨年末の40本塁打から上方修正。手応えを示すように例年より早い時期から打ち込むフリー打撃では快音を連発した。背番号「9」の先輩の背中を超え、チームをリーグV奪回、3年連続日本一に導く。「ボコッ」。球場に響いた鈍い音に誰もが衝撃を受けた。柳田が放った打球がグングンと伸び、バックスクリーン中段に直撃した。1月にはなかなかお目にかかれない推定140メートルの特大弾を披露してみせた。

充実の表情を見せる柳田は本塁打数の目標を上方修正した。昨年末の契約更改の席などでは「40本塁打」を掲げてきた。だがこの日「45本が目標です。小久保さんの最多が44本(ダイエー時代の01年)なのでそれを抜きたい気持ちがある」ときっぱり言い切った。2人には縁がある。小久保氏が現役だった12年オフ、2年目でプロ1号を含む5本塁打を放つなど頭角を現した柳田は「キャプテン賞」として高級腕時計をプレゼントされた。小久保氏の引退後、14年オフには背番号「9」を引き継いだ。

その2人が昨年末、偶然福岡県内のゴルフ場で会い、小久保氏から「俺の記録を抜いたら何か買ってやる」とハッパを掛けられた。柳田は「小久保さんはたぶん抜けないと思っている。相当厳しいとは思う。打ったらえげつないものがもらえると思う」とニンマリ。尊敬する先輩超えをターゲットにした。

自己最高だった昨年の36本を上回る高い目標だが、準備は進めている。今年は昨年までのグアムではなく、沖縄で始動。例年より早い7日からフリー打撃で打ち込んだ。この日は79スイング中26本が柵越えで、本塁打率3割2分9厘という驚異的な数字だ。球場の大きさが違うため一概に比較はできないが、昨年2月2日のキャンプ最初のフリー打撃では58スイング中14本だった。2年続けて自主トレに同行する浜涯打撃投手も「もう仕上がっている。良すぎて心配なくらい」と話すほど調整は順調だ。柳田が“ご褒美”を手にしたとき、リーグV奪回と3年連続日本一がグッと近づくのは間違いない。【山本大地】