日刊スポーツのオフ企画、毎週土曜日は「出た出たデータマン」です。記録室が昨季の阪神をデータで読み解き、今季を展望します。

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抑え投手の座に再挑戦する阪神藤川には、名球会入りの期待がかかる。日本通算225セーブに加え、メジャーで2セーブの計227セーブ。入会の条件である250セーブにはあと23だ。生え抜き投手では222勝の村山実に次ぎ2人目を目指す。野手の藤田平、鳥谷敬と合わせて生え抜き4人目の快挙のためには、強敵ドリスとの争いを制する必要がある。キャンプ、オープン戦での成果が、例年にない意味を持ってくる。

仮に中継ぎ役を継続しても、楽しみはある。現在の通算ホールドポイント(HP)は189。日本球界では過去3人しかいない200HPに、あと11HPと迫っている。昨季26HPを重ねており、今季前半にも十分に達成可能だ。「200セーブ&200HP」なら日本球界初。阪神最高のリリーフ投手に、新たな勲章が加わる。

藤川の18年終了時点でのNPB通算防御率は2・04。生涯防御率を1点台に抑えたいという夢を持つ。12年に海外FAを宣言しメジャー入りするまでの通算は1・77だった。ところが16年の阪神復帰後3シーズンを経て、2・04になっている。16年に先発へと転向して調子をつかむことができず、防御率4・60に終わったのが惜しまれる。昨季は54回1/3を投げ、自責点は14。仮に19年も昨季と同じイニング数だとすると、自責点を8以下に抑えれば再び1点台へと突入する。少々ハードルは高いが、目標に掲げれば好成績もついてくるはずだ。【記録室・高野勲】