マルテはヤクルト山田哲級!? 阪神に新加入するジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が28日、4年目のラファエル・ドリス投手(31)とともに関西国際空港着の航空機で来日した。タイガース3A時代にチームメートだったドリスはマルテのパワーを「ヤクルトの山田みたい」とトリプルスリー男の名前を挙げて太鼓判。メジャー通算30本塁打の4番候補の輪郭が浮かび上がった。

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「長旅で少し疲れましたが、日本に着いてとても興奮しています。早くチームメートに会えるのを楽しみにしています」。右の大砲候補、マルテは黒の革ジャンにジーパン姿で登場。さっぱりとした短髪が、りりしい顔立ちを引き立てた。

メジャー通算30本塁打を放った豪快な打撃が魅力。エンゼルス時代の16年には88試合で15本塁打をマーク。昨季は7本塁打にとどまったが、7月16日にはメジャー最高級左腕のドジャース・カーショーからアーチを放つなど、勝負強さも併せ持つ。

一緒に来日したドリスは、15年のタイガース3A時代にマルテと同僚だった。「やっぱり彼の一番の特長はパワー」と力強さに太鼓判。日本にいる助っ人と比較したら? と聞かれ「外国人じゃなけど…ヤクルトの山田みたい。マルテもそこまで見た目は大きくないけど、パワーがある」と答えた。山田哲は昨季34本塁打を放ち、史上初の3度目のトリプルスリーを達成した。ドリスとは過去3年の対戦で16打数5安打の被打率3割1分3厘。被弾こそないがその能力をよく知るだけに、新助っ人への期待度はますます高まる。

マルテはエンゼルスで大谷とともにプレー。昨年9月30日のシーズン最終戦では4番に座り、3番大谷とクリーンアップも組んだ。打率は2割1分6厘にとどまったが、相手先発が左投手の時には右の強打者としてスタメン起用も多く首脳陣の信頼は厚かった。矢野監督はマルテについて「理想はやっぱり4番」と期待。最下位に沈んだ昨季は、主軸に見込んだロサリオが8本塁打と低調だっただけに、マルテの活躍はチームの浮沈を握りそうだ。

機内では、ドリスに日本や阪神のことを質問するなど勉強熱心な一面も。虎の「4番マルテ」がセ・リーグに嵐を呼ぶ。【磯綾乃】

◆ジェフリー・マルテ(Jefry Marte)1991年6月21日、ドミニカ共和国生まれ。07年にメッツと契約しプロ入り。15年7月にタイガースでメジャーデビュー。16年からエンゼルスでプレーし、メジャー通算256試合、打率2割2分2厘、30本塁打、91打点。メジャーでは一塁、三塁、左翼を守った。185センチ、99キロ。右投げ右打ち。背番号31。