巨人の守護神筆頭候補が、ベールを脱いだ。

新外国人のライアン・クック投手(31=マリナーズ)が実戦初登板で、1回をパーフェクト。わずか7球で片付け、メジャーでも活躍した実力の片りんを示した。「マウンドに立てたことが良かったし、たくさんのファンの前で投げられて良かった」と初実戦のマウンドでスイッチが入った。

ヤクルトの上位打線を完璧に抑えた。先頭の坂口を150キロの直球、青木をこの日最速の153キロの直球でともに遊ゴロ。山田哲も152キロの直球で二ゴロに抑えた。愛称の「クッキー」から命名した、宝刀のチェンジアップ「クッキーチェンジ」は封印。シーズンに向け、謎な部分も残した。原監督は「ゲームの方がまとまっていた。非常に良かった」と評価した。

日本の野球環境にも順応した。マウンドも「メジャーに近いものにしたと聞いていたし、問題なかった」と意に介さず、応援歌にも「楽しかった」と話した。ベンチの吉川大の「クッキー」のゲキもマウンド上で聞こえ、思わず笑顔。スタンドで観戦した妻に快投を届けた。守護神候補の1人だった沢村が先発転向する中、大本命が堂々の投球を披露した。【久保賢吾】