開幕ローテーション争いに名乗り! 阪神秋山拓巳投手(27)が6日、鳴尾浜球場で、奈良学園大と2軍のプロアマ交流戦に先発し、2回1安打無失点と好投した。視察に訪れた矢野監督の前で、昨年10月の右膝手術から順調なステップアップぶりを示した。現在ローテ入り当確はメッセンジャーと西、ガルシアの3人。開幕まではおよそ3週間、残り3枠を巡るバトルはさらに本格化する。

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秋山が1軍へまた1歩近づいた。許したのは2回の先頭打者の右前打のみ。「逆球も何球かありましたけど、ヒット以外はまずい間違いをしていなかったので、良かったんじゃないかなと思います」。直球は最速140キロで大半は130キロ台だったが、カットボールで詰まらせるなど好感触だった。

昨年10月に右膝のクリーニング手術を受け、11月中旬にキャッチボールを再開。ここまで1つずつ着実に段階を上げてきた。今春は2軍キャンプスタート。手術後初登板となった20日、26日と練習試合で1イニングずつに登板した。そしてこの日は先発で2回1安打無失点。「問題なく投げ終えられた。先発の流れでしっかり入れたので良かったです」。またステップを踏んだ。

順調な復活ぶりに、甲子園での1軍練習を終えて視察に訪れた矢野監督も安堵(あんど)した。「報告は聞いていたけど、見られるチャンスやし。順調には来てると思うけどね」。さらに、開幕ローテ候補かと聞かれて「もちろんもちろん。入ってる。間に合うぐらいのあれ(状態)なんじゃないの」と明言した。

現在ローテが当確しているのは、開幕投手のメッセンジャーに、新加入した西とガルシアのみ。残りの3枠をかけて、若手を中心にしのぎを削っている。昨季7勝の実績がある岩貞や、2日のソフトバンク戦で好投した浜地。完全復活を目指す藤浪に、変則右腕の青柳、馬場、望月、高橋遥…。実戦で結果を残し、それぞれが猛アピールする。

秋山は今後、ファームでイニング数を増やし、3月中旬の1軍登板を目指す方向。「(矢野監督に)見に来てもらうことでモチベーションは上がりました。何か言われるまではしっかり焦らずやりたいと思います」。開幕まであと約3週間、まだまだバトルが続きそうだ。【磯綾乃】