岡本和真内野手(22)と吉田正尚外野手(25)が“コンビ侍”を形成する。8日、京セラドーム大阪での全体練習に参加。フリー打撃前に、2人が談笑する姿が注目を集めた。

同じ用具メーカーと契約している縁があり、2月のキャンプでは食事に出かけた。公私ともに交流がある2人が9日メキシコ戦で岡本が4番、吉田正はクリーンアップを担う。吉田正は「任されたポジションで、しっかり自分のベストを尽くせるようにしたい」と見据えた。

来る晴れ舞台に向け、左右の強打者が侍の中心に座る。初招集の吉田正に、稲葉監督は「今の段階ではクリーンアップを考えている。4番を岡本選手に。その前後をどうしようかなと思っている」とコンビでの起用を示唆。その上で、岡本には「彼にはジャパンの4番を目指してもらいたい思いが、僕の中にはある」と大きな期待を寄せた。11月に開催される開催のプレミア12、そして20年東京五輪に向けての重要な試運転の場となりそうだ。

2人が追いかける東京五輪へ、アピールが始まる。吉田正も「今年1年、僕にとっても大事な1年になる」と自覚十分。巨人でも4番に座る岡本は、東京五輪での4番への思いも強い。「そういうところで打てるようにしないといけないですが、その前に文句なしで選ばれるような成績を残さないと」。フレッシュな2人のスラッガーが日の丸の中心にいる。【田中彩友美】

<侍ジャパンの名コンビ>

◆イチロー&亀井 スーパースターだったイチローは09年WBCで、まだ実績の少なかった亀井をキャッチボールの相手に指名。大会中、イチローが打撃不振に陥ると、亀井ら若手がベテランにも声をかけ、ズボンの裾を上げる、イチローと同じ「クラシックスタイル」で臨み、不振だったヒーローを鼓舞した。

◆トリイバ 13年WBCで当初は脇役だった鳥谷、井端が好調な打撃と抜群な勝負嗅覚でチームをけん引。敗色濃厚だった第2ラウンドの台湾戦で1点ビハインドの9回2死一塁で鳥谷が二盗を成功させ、井端の同点適時打を導いた。試合も延長戦の末に制した。

 

○…侍ジャパンの吉田正、大山が「侍ジャパンキッズアカデミー」企画の一環として大阪市立西中学校をサプライズ訪問した。野球部の練習に登場すると「うっそー!」と体が固まる部員も。“体験入部”した吉田正は「僕らも憧れられる選手になっていきたい」と笑顔。大山も「何年か後に『会ったことがある』と言われるように頑張りたい」と力を込めた。2人は大阪市立九条東小学校も訪問し、講演と実技指導も行った。