勝てる投手が、開幕ローテの中核を担う。DeNAドラフト1位上茶谷大河投手(22=東洋大)が、ソフトバンクとのオープン戦(横浜)に先発し、6回6安打4失点。

対外試合で初失点したが、ボール半個分の出し入れでミスを最低限にとどめた。初の本拠地マウンドも踏んだルーキーが、中日との開幕2戦目(30日、横浜)へ照準を合わせていく。

上茶谷は、強打のソフトバンクに対し、外角のピンポイントコントロールを徹底した。

2回2死一塁で上林。アウトローいっぱいにスライダーを収めて起点を作ると、145キロをボール1個外に出し、探りを入れた。3球目は大きな軌道のチェンジアップを逃がし、侍ジャパン常連の腰を一瞬、引かせた。追い込むと、同じポイントに148キロを放り込み中飛に。「追い込むまでのボールはいい球もあったし、コーナーに決められた」と凡退の過程に自信をつかんだ。

右打者へはカットボールを集めた。3回2死二塁の今宮。1、2球目と4、5球目に、外角カットボールの軌道幅をボール半個変えて執念深く誘った。外を十二分に意識させたフルカウントからの7球目、内角直球でバットをへし折った。不規則なバウンドにより内野安打となり、次打者のグラシアルに1発を許し、対外試合初失点となったが「切り替えられた」。持ち球すべてを、打者から遠い外角に並べて揺さぶり、常に主導権を握る。大崩れしない根拠が上茶谷にはある。

内容の詰まった6回4失点。ハマスタのマウンドも、空気も味わうことができた。ラミレス監督は「評価は変わらない」とうなずいた。次回は23日の西武戦(メットライフ)が有力。中6日を経て、開幕カード第2戦の中日戦(30日、横浜)を迎えることになりそうだ。絶対的なコントロールを武器に、白星を積み上げていく。【栗田尚樹】