巨人の未来を担う「ドリーム・リレー」が必死のパッチで挑んだ。

先発大江竜聖投手は1回、先頭のマリナーズ・ゴードンに左中間フェンス直撃の二塁打を打たれても、ひるまない。今季紅白戦を含め、実戦30人目の打者で初の被安打に「すごく緊張した。メジャーの打者はスイングが速くて甘い球を見逃してくれなかった」とセットポジションで仕切り直した。ハニガー、ブルースを打ち取り、2死とすると四球後にサンタナを左飛に仕留め、無失点で駆けだした。

無心で勢いに乗った推定年俸560万円の若武者に怖いモノはない。2回は徹底して低めに集めて3者凡退。「すごくいい経験になりましたがイチローさんと対戦したかったです。後は坂本(工)さんに任せます」とマウンドを譲った。

育成からはい上がった推定年俸420万円の坂本工宜投手もビッグサプライズに躍動した。東京ドームのデビューマウンドで最初の打席にはイチロー。カウント2-2から内角直球で一ゴロに封じ「集中していた。しっかり投げることだけを考えていました」と希少な経験を積んだ。マ軍スターティングオーダーの年俸総額は打者9人で7265万ドル(約79億9150万円)。ビッグマネーに堂々と立ち向かった。【為田聡史】

▽巨人宮本投手総合コーチ(ブルペンデーで登板した中継ぎ陣について)「(大江は)いい投球をしてくれた。打者8人中ボールから入ったのは1人だけ。他の投手陣もまねしてもらいたいね。(吉川光は)後ろを任せられるという一つの形ができた。世界初の『セトッパー』として指名できる」