日本ハム西川遥輝外野手(26)が、必死の「リクエスト申告」で決勝点につなげた。1-1の3回1死。中前打で出塁すると、盗塁のチャンスが巡ってきた。1ボールからの大田への2球目。内角へ大きく浮いた変化球の時に、スタートを切った。

滑り込んで突き出した右足は砂埃に紛れた中、判定はアウト。西川は立ち上がると、顔の前で大きく手を振り、セーフを猛アピールした。「タッチされていなかったので」。両手で、何度も四角を描き、ベンチの栗山監督へ「リクエスト」を“申告”。2年連続盗塁王は成功を確信していた。

指揮官も、すぐさまリクエストを申し出た。ビデオ確認後、判定はセーフに覆った。「みんなに必死過ぎと言われた。まだ(盗塁は)1個目なのでね」と笑ったが、強い思いでチャンスメーク。直後、近藤の決勝打を呼び込んだ。

開幕2戦は「2番」だったが、今季初のリードオフマンとして躍動した。1回の1打席目の四球を皮切りに、全打席出塁。安打は単打、二塁打、三塁打と順に生み出し、今季チーム初の3安打猛打賞だった。「監督からは『(打順が)決まるまで迷惑かけるな』と言われたので、監督の悩みが1つでもなくなれば」と頼もしい。

「(次カードの)楽天戦は先攻になるので、また配球は変わると思うけど、攻めていければ」。打撃タイトルを狙う今季、熱い思いを体現していく。【田中彩友美】