お待たせしました! DeNAが巨人に快勝し、球団創設4000勝を達成した。

楽天を除く11球団で最も遅いスピードでの到達。アレックス・ラミレス監督(44)は、尊敬する巨人原辰徳監督(60)を前に記念すべき勝利となった。右肘クリーニング手術から復活した井納翔一投手(32)が、先発で気迫の5回1失点。自身の今季1勝目を挙げるとともに、ファンが待ち望んだ白星を届けた。

   ◇   ◇   ◇

ラミレス監督は、長きにわたる歴史をかみしめた。球団としての初勝利は1950年(昭25)3月10日。場所は球団創設の地、山口・下関だった。そこから、いくつもの試合を重ね、いくつもの白星を積み重ねてきた。球団創設70周年の今年。2000、3000勝もマークした横浜スタジアムで、記念すべき4000勝を達成した。

ラミレス監督 ファンの方も喜んでいるし、もちろんチームも球団も。次の1勝をまた勝ち取りたい。

尊敬する原監督から、メモリアルな1勝をマークした。08~11年に選手として所属した巨人時代の監督。当時から監督就任を目指していたラミレス監督は、原監督から「監督になりたいんでしょう? そうなればいいね」と声を掛けてもらったことがある。監督同士として、初顔合わせとなった今カード。「すごく尊敬している。いい戦略を持ってたし、たくさんのことを学ばせてもらった。今年一番のチャレンジは巨人を倒すこと」と奮い立ち、今季初の連勝で好調の巨人を倒した。

指揮官の思いを「節目の男」が受け止めた。井納だ。3点リードの5回。この試合初めての得点を許し、なおも2死、一、二塁で丸を迎えた。勝負どころで、外一辺倒。最後は146キロ直球で二ゴロに詰まらせ、今季初勝利を手にした。14年にDeNAとしては初の2桁勝利を挙げ、16年にはチームにCS初勝利をもたらした男は「回ってきたのかな」と冗談っぽく笑い「こういう試合で勝てたことは素直にうれしい」と言った。

節目の男となるべく、歴代の先輩たちからの、エールを受け取っていた。開幕直前の3月28日、横浜スタジアムでの練習後、球場正面で立ち止まった。入り口には球団創設70周年を記念し、歴代の監督や選手などがデザインされた写真が壁にプリントされている。約5分間、じっくりと目を凝らした。真剣な表情で先輩たちの戦いの歴史を胸に刻んだ。「歴史は長いな。自分はまだまだ。頑張らないと」。誓いを立てた場で、井納もまた球団の歴史に新たな1ページを刻んだ。【栗田尚樹】