日本ハムが7日、西武3回戦(東京ドーム)で痛恨の逆転負けを喫した。

2点リードの9回に登板したジャスティン・ハンコック投手(28)が乱調。不安定な制球につけ込まれ、西武の新山賊打線に土壇場でひっくり返された。チームはカード勝ち越しでの勝率5割復帰が目前で消え、手痛い2カード連続の負け越しとなった。

   ◇   ◇   ◇

ハンコックが投げた149キロ直球は、無情の放物線を描かれた。1点差に迫られた9回1死一、三塁。西武外崎に逆転2号3ランを左翼席へたたきこまれた。「自分のミスで勝てる試合を落としてしまった」。先発有原が8回3安打無失点と、ほぼ完璧に抑えていただけに「もちろん、緊張感はあった」。プレッシャーは悪い結果となった。力みから、スライダーが制球できない。外崎にも初球からスライダーを2球続けたが、完全なボール。直球狙いに絞りやすい状況をつくった時点で、ほぼ勝負は決していた。

今季も守護神は石川直でスタートしたが、不調で5日に出場選手登録が抹消された。代役に指名されたハンコックだが、4点リードの9回に登板した5日西武戦でも1失点。この時はリードを守りきったが、登板4試合目で来日初黒星を喫した投球内容に、「スライダーのコントロールがあまりよくなく、打者有利のカウントにしてしまった。その辺を修正したい」と猛省した。

8回で117球を投げていた有原を続投するか、それともクローザーに任せるか。難しい判断の中で継投を選択した栗山監督は「いろんな理由がある」と多くは語らなかった。逃げ切っていればカード勝ち越しで勝率を5割に戻し、勢いに乗って9日からの敵地でのソフトバンク3連戦に臨めた。敗戦によって状況は一転した。シーズン最初の踏ん張りどころとなる。「みんながそろうまで、しっかりやるしかない」。まだ9試合を消化しただけだが、悪い流れは早めに断ち切りたい。【木下大輔】