広島クリス・ジョンソン投手(34)が2試合続けて、わずか3回で降板した。1回に先制を許すと、2回には味方の拙い守備も重なり3失点。不運もあったが、3回まで毎回安打を浴びた。球は高く、またも本来の制球力は影を潜めた。先発陣の早期降板が続く悪い流れを大黒柱と期待された左腕も止めることができず、自身の立場も安泰ではなくなった。

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球が高めに大きく抜けると、マウンドのジョンソンはすぐに土を蹴った。今季3度目の先発も、1回からピンチを招き、ゲレーロにあっさり先制適時打を許した。2回も内野ゴロの間に失点。さらに左翼正面のライナーを照明と重なった松山が後逸し、2点を追加された。不運もあったものの、大黒柱と期待された左腕がまたも精彩を欠いた。

来日5年目、94試合目で初の地方球場。これだけ低いマウンドは初体験だったかもしれない。会沢とは17年9月30日DeNA戦以来となる公式戦のスタメンバッテリーだった。試合では味方の拙守にも足を引っ張られた。それでもはね返すのが大黒柱。佐々岡投手コーチは「不運な当たりもあったけれど、前回同様に球が高かった(今後は)話し合って決める」と厳しく指摘した。この日も3回で降板し、今季登板3試合目にして5回未満での降板は昨季と同じ2度目となった。

開幕から16試合、苦しい台所事情が大きなつまずきの一因となっている。週末に先発する大瀬良と床田を除く投手が先発した10試合中、6回以上投げたのは3日中日戦で勝ち投手となった野村1人しかいない。週頭のカードで先発が早期降板すると、チームの流れが悪くなる。中継ぎの起用も増えるため、その後の継投にも影響を及ぼす。この日はジョンソンを含め5投手で10安打8失点。力負けだった。

先発が粘れず、打線も反発力を欠く悪循環に陥った。この日は鈴木の1発と犠飛による2得点。4番に頼りっきりで23イニング連続適時打なし。投打の歯車がかみ合わない。緒方監督は「(2回松山の)拙い守備もあったからね…」とジョンソンをかばった。だが、復調の兆しをつかめない左腕は「今日は何もない」とだけ言葉を残し、球場を去った。守り勝つ野球を掲げる緒方広島の浮上は、投手陣の奮闘なくしてありえない。【前原淳】