ヤクルトが、平成最後の巨人戦で豪快な本塁打攻勢をかけた。 3回に青木の4号2ラン、山田哲の5号ソロ、バレンティンの5号ソロと並べ、上位打線が3連発のそろい踏み。しかも打った相手が2年連続沢村賞の巨人菅野という、この上ないインパクトで一気に主導権を奪った。打線の勢いは止まらず、相手エースに12安打を浴びせ7得点。4回もたせずKOに成功した。

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雨上がりの神宮球場に、傘の花が咲いた。巨人先発の難敵菅野を打ち崩し、ヤクルト打線が息を吹き返した。 “菅野対策”として、スタメンに5人の左打者を並べた。小川監督は「点を取らないと勝てない。昨日、一昨日と取れていないので」と意図を明かした。川端が、今季初めて「1番・一塁手」でスタメン出場した。15年4月12日巨人戦(東京ドーム)以来、本人も「そんなにですか」と驚いた4年ぶりの1番。「後ろがすごくいい打者がいっぱいいるので、とにかく塁に出られたら」と話していた通り、3回に先頭で左前打を放ち猛攻が始まった。 無死一塁で、青木が2球目の低めスライダーをうまく拾って右翼席に運び4号2ランで先制。続く山田哲も2球目の真ん中に入ってきたスライダーを左翼席へ5号ソロ。「ここ何試合か先制点が取れずに流れの悪い試合だったので、勢いになればと思います」と話した。スタンドは歓声に包まれ、熱を帯びた雰囲気で流れは完全にヤクルトペース。さらにバレンティンが146キロ直球を豪快に左翼席に運ぶ5号ソロで続き「前の2人に続いて狙っていました。完璧です」と喜んだ。 神宮での菅野との対戦は、昨年10月14日、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦、ノーヒットノーランを喫し敗退が決定して以来。その悔しさを晴らすように、3者連続本塁打を放った。さらに4回にも連打で追加点を挙げ、菅野をマウンドから降ろした。【保坂恭子】