リードオフマンの勢いが止まらない。ロッテ荻野貴司外野手(33)が4回1死二、三塁、短く持ったバットではじき返した打球は、前進守備を敷いた二遊間を抜ける勝ち越しの2点適時打となった。

「前の打席で詰まらされていたので、バットをいつもより指2本くらい短く持った。ちょっと詰まったが飛んだコースがよかった」と振り返った。

シーズン前にはバットで悩んだ。昨季までは85センチのバットを短く持っていたが「短く持っていた時はグリップエンドの感覚がなく、その感覚がほしかった」とオフから異例の約76センチと短いバットを長く持って使用。しかし思うような結果は残せず、オープン戦途中から約78センチに伸ばすなど試行錯誤をくり返した。

それでもオープン戦打率5分9厘に終わり、当確と思われた開幕スタメンの座を明け渡すこととなった。「生きた球だと打ち負ける感覚があった」と自身の判断で昨季より10グラム軽い880グラム、85センチのバットに落ち着いた。

本来の調子が戻り、打率は3割6分2厘。出場試合連続安打も、昨季記録した自己最長の12を更新し、13とした。荻野が16日に1番に固定されて以来、10試合で6勝3敗1分けと大きく勝ち越し。楽天との連日の打撃戦を制し、平成最後の3連戦を勝ち越した。井口監督は「打線はずっとつながっていて、いい形で点がとれている。チーム全体として打線がよくなっている」と目を細めた。幕張のスピードスターの復調とともに、チームは一気に駆け上がる。【久永壮真】