広島の連勝が8で止まり、借金生活に逆戻りした。先発クリス・ジョンソン投手が来日初の1試合3本塁打を浴び、4回6安打3失点でKO。

それでも、サビエル・バティスタ外野手の2号2ランで反撃し、さらに1発逆転の場面をつくるなど「逆転のカープ」の雰囲気が戻ってきた。緒方孝市監督(50)は「1試合1試合戦うだけ」と平然。29日から新たな連勝をスタートさせる。

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今の広島は、ただではやられない。途中出場のバティスタが、意地の2ランを放った。4点を追う7回2死二塁。ヤクルト2番手ハフのスライダーを左翼スタンドにたたき込んだ。「集中していた。打った瞬間の手応えも十分だった。自分のいいスイングができた」。自画自賛の1発で、反撃ムードをつくった。

苦しい展開が続いていた。広島先発ジョンソンが来日5年目で初めて1試合3本塁打を許した。2回に荒木に2号ソロを打たれ、チームの連続無失点イニングを32でストップ。3回には青木、バレンティンにもソロアーチを献上した。4回6安打3失点で無念の降板。「状態は悪くなかったけど投球の調子は悪かった」と話すしかなかった。

今季5試合目の登板で、6回自責3以内の「クオリティー・ピッチ」を1度もクリアしていない。初勝利を挙げた前回21日DeNA戦も、5回1失点ながら首脳陣の評価は低かった。佐々岡投手コーチは「前回もそうだけど変化球を打たれている。腕の振りがボールに伝わっていない」と辛口評価。緒方監督は2軍降格の可能性について「とくにコメントはない。見たまんま」と話した。

それでも、球場の左半分を埋めた広島ファンに、最後まで逆転への期待を抱かせた。7回バティスタの2ランの後、8回に1発逆転のチャンスをつくり、相手バッテリーに圧力をかけ続けた。3連覇中の逆転勝ちは、16年45勝、17年41勝、18年41勝と、いずれもセ・リーグ1位を記録している。8連勝中は、それまで1つしかなかった逆転勝ちが3つあった。反発力が戻ってきている。

緒方監督は「1試合1試合戦うだけなんでね」と繰り返した。連勝が途切れたなら、またやり直せばいい。【村野森】