「72」を背負った主砲の一振りがチームに平成最後の勝利を呼び込んだ。

オリックス吉田正尚外野手(25)が同点の8回2死三塁のチャンスで打席を迎えた。小川が投じた初球の真ん中フォークを豪快に振り抜き、右中間3階席へ運んだ。17日の日本ハム戦以来10試合ぶりの1発となる6号決勝2ランで亡き仰木監督に白星を届けた。

「チャンスだったので、積極的に打ちにいこうと思った。最高の結果になって良かった。平成最後で打てて、いいゲームにもなった。思い出になるかなと思います」

この日は96年にチームを日本一へと導いた故仰木彬元監督の誕生日にあたる。「ありがとう平成シリーズ」の1つで、「THE MAGIC AKIRA OHGI DAY」と銘打ち、チーム全員がブルーウェーブ時代の背番号72のユニホームに身を包んだ。吉田正は名将について、「サングラスをかけて、こわもてなイメージだった。田口コーチから『豪快な中でも選手のことをよく見ていた』と聞いていた。自分のプレーを見てもらいたかったです」と感慨深げに語った。

西村監督も安堵(あんど)の表情を浮かべた。「仰木さんの背番号を背負って、平成最後で勝てたのがチームにとっても大きかった。ホッとしています」。一時代を築いた“仰木マジック”が選手の背中を押した。

吉田正の1発は球団の平成ラスト弾となった。「この1本でいいイメージができたので、『令和1発目』の本塁打を打てるように次の試合も頑張ります」と主砲は高らかに宣言。新時代も豪快なスイングでチームを勝利に導いていく。【古財稜明】