元阪神・井川慶が、平成の阪神を代表する投手として「平成最後のファーストピッチ」と題した始球式を務めた。縦縞ユニホームを身にまとって登場し、場内に「キャッチャー矢野」とアナウンスが流れると虎党からより大きな歓声が湧いた。

ともに選手として優勝を味わった矢野監督とのバッテリーが一夜限りで復活。ノーバウンドでミットに収めた井川は「懐かしいなと思いました。自分も気分が良かった。幸せな時間でした」。ボールが高めにいったことには「新球だと浮く可能性が高いです。ワンバンより良いかな」と冗談を飛ばした。

井川は99年5月2日の広島戦(甲子園)でプロ初登板。04年10月4日の広島戦(広島市民球場)で史上71人目となるノーヒットノーランを達成と、初物の相手は広島が多かった。その広島戦での「登板」に「当時から縁を感じていました。ファームでも良く対戦していましたし、縁を感じます」。

03年に球団史上初となる最優秀バッテリー賞を獲得した2人。「復刻バッテリー」はファンへのサプライズ演出として行われた。井川は、矢野監督との思い出に03年の開幕戦を挙げた。「2000年、2001年はあまり組んでいなかったけど、組んで結果が出て。そのイメージがあります。『好きな球を投げろ』と言われていた。矢野さんのサインに首は振りませんでした」と当時を思い起した。

「矢野さんが監督になって、現役時代に選手だった人がコーチになって、時代が変わったなと思う。1歩1歩やっていく姿を楽しみにしています」と影から先輩にエールを送っていた。

井川は17年に独立リーグの兵庫ブルーサンダースを退団後、トレーニングを続けている。