日本ハムは2018年で北海道移転15年。過去の名場面、珍場面を、当時の紙面とともに振り返ります。

<09年8月10日付>

楽天戦の試合前、日本ハム糸井は「コラ!」と呼び止められ、「絶好調やな」と話しかけられた。声の主は敵将・野村監督。同じ京都出身の大先輩からは、球場で顔を合わせるたびに言葉をかけてもらっていた。“返答”は、しっかりとグラウンドで示した。前日の4安打に続き、この日も3安打。野手転向4年目。この試合後、リーグ首位打者に立った。「最後にこれだったらいいですけど、まだまだ試合があるので。1試合1試合頑張ります」。この年はタイトルを取れなかった(7位)が、オリックスに移籍後の14年、打率3割3分1厘で正真正銘の首位打者となった。

「右中間ってどっちですか?」や、時差ボケを心配され「そういうのは向こうが合わせることなので」など、“不思議”な発言も数多く残す糸井。この日の日刊スポーツには、2死三塁の走者で外野へ飛球が上がった際に、素早く帰塁し、全速力でタッチアップを狙ったエピソードが披露されている。

キャラクターは独特だが、野球に関しては大マジメ。投手からのコンバート後は、人一倍バットを振り込み、球界を代表する打者へ成長した。日本ハムでは今季から、通算109試合登板の白村が、外野手として再スタートしている。イースタン・リーグでは26試合に出場し64打数10安打、打率1割5分6厘。先輩・糸井の背中を追っている。