2試合ぶりにスタメンに復帰した日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が、高卒2年目で交流戦初安打初打点をマークした。「日本生命セ・パ交流戦」のヤクルト戦で、1-0の3回2死一、二塁、小川泰弘投手(29)から右前適時打。5回の第3打席でも右越え二塁打を放った。一塁守備では、7回のピンチで体を張ったハッスルプレー。攻守で勢いに乗って、7日、早実(東京)時代に活躍した甲子園に乗り込む。

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2死一、二塁で迎えた3回の第2打席だった。リードは、わずか1点。初球、内角高めのカットボールに体が反応した。「交流戦に入ってから、いい仕事ができていなかったので…。タイミングがしっかり取れた」。交流戦初安打で貴重な2点目をたたき出すと、5回の第3打席でも内角低めを右越え二塁打。「自分の打点で勝てて、すごく充実したものがある」。父克幸さん(51)が見守る中、今季3度目のヒーローインタビューで、にっこり笑った。

守備では、気迫があふれた。この日、一塁で2試合ぶりにスタメン復帰。試合開始早々、ファウルボールをグラブに当てるミスがあったが、7回2死一、二塁のピンチでは、一塁側ベンチ手前への飛球をスライディングキャッチ。帽子を飛ばし、体を張った。「初回にミスをしていたので必死でした」。このハッスルプレーには、栗山監督も「捕り方は相当、格好悪かったけど、気持ちは最高に格好良かった」と大絶賛だ。

昨季の今頃は2軍落ち。今季初めて経験する交流戦で、同じ高卒2年目のスラッガー、ヤクルト村上との対決が注目を浴びた。相手は現在、セ打点トップに立つが、ヤクルト宮本ヘッドコーチは「清宮は左半身からバットを振り始めていて(体勢が)崩れにくい。村上より対応できる幅が広い」と、優れた柔軟性に驚く。清宮は、村上について「すごいなと思ったし、負けられないと思った。打率が高いわけじゃないけど、チャンスで打つのは、さすが。僕にとって、この3連戦は有意義な時間になりました」。同学年のライバルの存在は、良い刺激になっている。

7日から、甲子園で阪神との3連戦が始まる。高3のセンバツ以来、2年ぶり。この日から、高卒ルーキーの吉田輝が1軍合流予定で「『明日からよろしくお願いします』とLINEがありました。楽しみです。野球に集中して欲しい」と、声を弾ませた。「甲子園は楽しみだけど、気を引き締めて頑張りたい」。久々の聖地で、大暴れする。【中島宙恵】

▽日本ハム中田(3回に清宮の適時打で捕手のタッチを避けて生還)「打球も速かったし、僕の足なんで、どうかなと思った。タッチされる間に(本塁ベースを)踏んだと思ったけど(リプレー検証中は)不安だった。(7回の清宮の好プレーは)1歩目が遅いけど、本当に盛り上げてくれた」

▽ヤクルト村上(4回の適時打でリーグトップの45打点)「(清宮は)元から意識していない。チームが負けたことが悔しい。本拠地に帰るので、明日から頑張る」