大物の予感!中日ドラフト4位・石橋康太捕手(18=関東第一)が広島戦でメモリアル打を決めた。

プロ2試合目は初の先発マスク。高卒ルーキーの先発マスクは中日に限れば、ドラフト制度導入後初の快挙だった。1点差まで追い上げられた5回2死一、三塁、右腕遠藤からプロ初安打初打点となる右翼線2点三塁打。殊勲打で3連勝に導き「出るからには勝ちたいと思っていた」と汗だくで笑った。

高校通算57発。魅力は長打力だけではない。1軍合流後、試合前の声出しを聞いた京田は「いい意味で高校生っぽくなくて。まるでキャプテンみたいな感じで、しっかりと言葉を選んでモノを言っていたんです」と驚いた。中学校時代は有名進学校も狙えたという。持ち前の頭脳はこの日も随所でフル稼働した。

「自分はどちらかと言うとネガティブ。ダメな方に考えてしまう」。短所を冷静に分析した上で、関東第一高時代から「ふと見た時に自分に帰られるように」金言の数々を野球ノートにメモしてきた。今回はノートから「慌てていいことはない」という言葉を引き出した。伊東ヘッドコーチ、中村バッテリーコーチからもらった言葉だった。

「どういった状況でも慌てないように、あらゆる過程を想定した。最初の3イニングは浮足立ってしまったけど、慌てずに自分のできることをやろう、と」。10代バッテリーを組んだ先発清水が4回3失点で降板しても、2番手藤嶋が危険球退場しても冷静だった。与田監督も「ボール球来いとか的確に指示を出していた。ルーキーとは思えない落ち着きだった」と感心。根尾だけじゃない。名古屋に新たな令和スター候補が誕生した。【佐井陽介】