阪神の守護神ラファエル・ドリス投手(31)が瀬戸際に立たされた。また背信の投球を演じてしまった。1点リードの9回、先頭伊藤光に四球を与えて、2死二塁。筒香に速球を痛打され、中越えの同点適時二塁打を浴びた。白星を消す痛恨投球。ベンチでうなだれた。「2死だったし、この打者を打ち取りたいと思った。高めを狙ったが高さが足りなかった」と猛省したが渋面なのは矢野監督だ。

「先頭の四球で。どうしても重いし、しんどい。(シーズンの)中盤から後半に入りかけてるところで体の疲れとか。最近すごく連投してるわけでもないけどそういうのもなくはない」

抜け球、引っ掛け球が目立ち、苦戦する。20日ヤクルト戦(甲子園)も1点リードの9回に同点にされるなど不安定な内容が続く。今後も調子が上がらなければ、2軍落ちのピンチに陥る。ソラーテが加入して外国人4人枠争いがヒートアップ。指揮官は本塁打を放ったマルテについて「俺自身がどうするか悩みがまた増えていく形の競争になった」と話す。直後、ドリスの話題で「難しいところだよね。(疲れを指摘して)そういう部分では、考えることも多いなと…」と言及した。リーグ2位の19セーブを挙げるが、クローザーの地位は安泰ではない。

防御率0・97のジョンソンは外せず、打線の状態次第では助っ人打者2人制を敷く可能性もある。ガルシアも先発の一角を占めており、安定感を欠いたままなら不動だったはずの立場が危うくなる。【酒井俊作】