巨人原辰徳監督(61)が、史上13人目の監督通算1000勝を達成した。同一球団で1000勝以上は5人目の快挙となった。  

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ソフトバンク・王貞治球団会長 原監督、通算1000勝おめでとうございます。ジャイアンツの監督で1000勝というのは価値がある。監督は3回目となるが、彼がそれだけ必要とされているということ。特に今回は、ジャイアンツが危機感を持って監督に指名して、大変な仕事だと分かっていて、火中の栗を拾うような感じで引き受けた。そして、彼だからこそ、昨年までと違う戦い方ができるという、監督としての能力を示した。

巨人軍というのは独特。12分の1じゃなくてオンリーワンというチームで、ファンからも常にそういう存在であって欲しいと求められる。大変、荷が重いだろうけど、今年の戦い方をみても本当に立派。原監督の下で、選手たちが、勝つということ、個人のことではなくてチームが勝つ、巨人軍は勝たなきゃいけないんだっていうことを理解して戦っている。そのことが、選手個々にとってもプラスになっている。原監督が1回目、2回目の経験を生かし、今回の一番大変な時期に3回目の監督を受けて、見事に大役を務めてチームにいい戦い方をさせている。

若いときは選手と同じ目線で見てしまうケースが多い。ちょっと、離れてみて野球を勉強して。「監督とはなんぞや」、選手との関係をどうするか、などを学んで。今回は3回目で、選手は選手、監督は監督。同じユニホームは着ているが、仕事が違うんだというのをはっきり打ち出していると思う。批判をみんな嫌がるけど、彼は人の批判を気にせず「自分がやんなきゃいけないことをやる」という信念を持って、やり通していることが立派。原監督も自信を持って監督に就いたんだと思う。「俺がやんなきゃ誰がやる」ぐらいの気持ちでね。ジャイアンツのイメージを取り戻す役割を引き受けたんだから、今のまま自分の信念に基づいて突き進んで欲しい。

ジャイアンツとの日本シリーズは、2000年が最後だからね。僕らもやはり、ジャイアンツに勝って本当の意味での日本一になると思う。そういった意味では、対戦するという立場に自分たちが行った上で、ジャイアンツに出てきて欲しいね。今年は実現しましょう。