孤軍奮闘-。広島西川龍馬内野手(24)が9号ソロを含む4安打と気を吐くも、連勝が9で止まった。敗戦の中で新切り込み隊長は後半戦全試合で出塁し、10試合連続安打と好調を維持する。西川に引っ張られるように不振だった松山にも1発が飛び出した。7月の月間負け越しが決まったものの、打線の勢いは衰えてはいない。

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監督通算1000勝でお立ち台に上がった巨人原監督の喜びの声が漏れ聞こえる通路を広島ナインは歩いた。劣勢の終盤に2点差まで詰め寄り、先発山口をマウンドから引きずり降ろした。連勝は止まったものの、勢いは失っていない。9号ソロを含む4安打の西川は「明日につながればいい」と力強く前を向いた。

1番打者として、勝利への執念を最後まで示した。6点を追う8回。先頭の西川は完投を狙う山口の浮いた真っすぐを捉え右中間席にたたき込んだ。初の2桁本塁打に王手をかける1発から打線がつながり、2点差に。巨人に冷や汗をかかせた。

3点差に広がった9回も2死から左中間へ二塁打。三塁打ならサイクル安打だったが、諦めない姿勢をバットで示した。1番に固定され、後半戦は全試合に出塁し、連続安打も10試合に伸びた。チームを上昇気流に乗せた1番打者だが「(3回の)見逃し三振が余計だった。あれがなければ良かった」と反省を忘れなかった。

構えたときに右足に重心を落とし、左足に重心を移してから打ち始める。開幕直後は左足に重心を残した状態で静止した状態から始動していた。5月に入り「静から動」→「動から動」に修正。確実性向上につながった。1番という打順にも慣れてきた。

連勝が9で止まり、7月の月間負け越しも決まった。それでも下を向く内容ではない。1番の快音とともに打線は好調を維持する。前半戦不振だった5番松山にも1発が飛び出した。敗れはしたものの、勝ちパターンの中継ぎ陣は休ませることはできた。それだけに、この日の敗戦をこのカード残り2戦につなげなければ意味がない。大型連勝と大型連敗を繰り返す今季だけに、連勝が止まった次戦が大事になる。【前原淳】