日本ハムが編み出した「ショートスターター」戦術で楽天に競り負けた。

今季から新たに導入した投手起用法を初めて相手に採用され、奪った得点は初回の1点のみ。プラン通りの継投に打線が抑え込まれ、5カードぶり、後半戦初のカード負け越しを喫した。2日からは、1・5ゲーム差の首位ソフトバンクとの直接対決3連戦(札幌ドーム)。切り替えて、負けられない首位攻防戦に臨む。

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栗山英樹監督は敗戦が決まると潔く帽子を脱いで、グラウンドに一礼した。「あと1歩も、あと100歩も勝ちきれなかったら一緒」。落とした接戦は、日本ハムが他球団に先駆けて取り組んできた新戦術「ショートスターター」に屈した形となった。

楽天先発の釜田、第2先発の辛島に3回ずつを投げられ、奪った得点は初回の1点のみ。ともに攻略できそうなところまで追い詰めながら継投でかわされ、最後は勝利の方程式に抑え込まれた。新戦術の先駆者である栗山監督は「ずっと、ああいう形が(他球団の起用の中にも)挟まると言ってきた。だから、普通な感じだよ」と振り返った。

事前に楽天の戦略は想定した打線で臨んだが、攻略しきれなかった。7番に右投げ、左投げにとらわれない両打ちの杉谷をスタメン起用。各打者の調子も見極めながら、どんな投手が来ても対応できるように攻撃の布陣を組んだが、うまくかみ合わなかった。試合全体でも3犠打を駆使して得点圏に走者を進め続けたが、あと1本が出なかった。

チームは後半戦5カード目にして初の負け越しとなったが、引きずってはいられない。2日からは首位ソフトバンクとの首位攻防3連戦に突入する。栗山監督は「この3つ、来週(10日からヤフオクドームで)の3つも大事になってくる。できる限り、やれることをやりたい。全員で取りにいくしかない」。負けられない首位攻防戦へ、気持ちを切り替えた。【木下大輔】