セクシータイムの復活だ! 阪神の新外国人ヤンハービス・ソラーテ内野手(32)が左打席で来日初アーチを放った。1点リードの2回に右翼へ6戦ぶりとなる4号ソロ。

9回にも二塁打を記録し、マルチ安打。チームは逆転負けで9連戦の初戦を落としたが、ソラーテの復調はプラス材料だ。

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ゲームセットを見届けたソラーテは、ベンチに居残った。最後に追い上げたが、1点差負け。込み上げる悔しさがあった。ガルシアと話し込み、ベンチから出てこない。陽気な助っ人は、チームを勝たせるためにやってきた。自らは復調の気配を見せたが、負けてしまっては意味がない。「負けてはしまったけど、全体の粘りは見せた。いい野球につながると思います」。重い足取りだったが、帰りのバスへ歩を進めた。

左打席で初の「セクシータイム」を決めた。2回に追加点となる4号ソロを右翼席へ。初球を思い切り振り抜いた。「回の先頭バッターだったし、コンパクトにセンター方向に打ち返そうと思っていたよ。チェンジアップにうまくコンタクトすることができたね」。過去3本の本塁打はいずれも右打席。着弾を確認すると上機嫌で三塁を回り、ステップを踏んだ。跳び上がり、両手を上下に開く。ワニに見立ててバチンとたたく「クロコダイルポーズ」をさく裂。1度はツバメを食いちぎった。

初出場となった7月26日の巨人戦で本塁打を放ち、センセーショナルなデビューを果たしたが、打撃は下降線に。来日から半月がたち、日本独特の暑さや移動などで疲労が蓄積。ここ5試合で17打数1安打と急降下。「(ストライク)ゾーンに苦しんでいる」と漏らすこともあった。だが、この日の1発に「うれしいです。左で1本出て、楽になったというか。ほっとしています」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。9回にも二塁打を記録し、左打席でマルチ安打の活躍だった。

陽気な性格でムードメーカーになっているが、試合でもチームを引っ張る存在だ。4本のアーチはいずれもカード初戦に放った。この日は空砲に終わったが、ソラーテの復調は打線に活気をもたらす。「やることは変わらない。いつもと一緒です。明日からも頑張ります」。次こそ勝利の「セクシータイム」を披露する。【真柴健】