最高の記念日となった。DeNA今永昇太投手が、広島相手に8回途中を8安打2失点の粘投でリーグトップの13勝目をマーク。2・38の防御率、163奪三振でもトップに君臨し、投手3冠をキープした。巨人の優勝マジックが消滅し、チームの自力Vが復活。26歳のバースデーマウンドは忘れられないものとなった。

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「ハッピー・バースデー・トゥー・ユー」。試合後のヒーローインタビュー中も、今永を祝うハマっ子たちの歌声が球場に流れた。今永は「野手の皆さん、守っている皆さん、リリーフの皆さん、全ての人に助けられた。ありがたいです。ファンのみなさんにも、本当に感謝です」。26歳をマツダスタジアムで迎えた。

1点を先制された直後の2回。打席に向かうと、DeNAファンの「バースデーソング」に続き、広島ファンからも、温かい拍手が送られた。「一野球選手として、祝ってもらえてありがたい」としみじみ。人生初のバースデー登板。「すごく縁のある登板だと思う。いい日になりそうです」とあどけない笑顔を見せた。

「祝・記念日」を粘りで引き寄せた。初回に先制され、3回には追加点を献上した。失点は、ともに変化球を狙われたもの。そこから修正した。「特に広島の打者はゾーンの変化球をうまく拾う選手が多い。変化球を待っているところに直球で行けた」と割合の変化で差し込んだ。

これで広島相手に6戦5勝と負けなし。リーグトップの13勝目を挙げ、防御率、奪三振数でも1位と26歳の成長は止まらない。「まだ若いですけど、ローテの中で京山、飯塚と若い投手もたくさんいる。彼らに背中で示せる人になりたい」。前を走る巨人の優勝マジックは消滅。4ゲーム差に付けた。年をとるごとに、いや、日に日に、ハマのエースはたくましくなっている。【栗田尚樹】

▽DeNAラミレス監督 今永はこういう試合で、粘り強く投げた。ナンバーワンのピッチャーということを証明した。(巨人については)気にしていない。残りの試合を我々がいかに勝つかだけ。