今季限りでの現役引退を発表した阪神ランディ・メッセンジャー投手(38)が18日、兵庫県西宮市内で引退会見を行った。

背番号54のユニホーム姿で登場した右腕は、全てのチーム関係者や家族に感謝を述べ「本当はまだやりたいという気持ちもありますけど、自分の体、腕が『もう潮時だ』と言っている。今がその時かなと思い、決断しました」と引退の思いを話した。

10年に来日し、チームに加入。今季を含む5年連続6度の開幕投手を務めるなど、虎のエースとして活躍。NPBで通算262試合に登板し、98勝(84敗)を積み重ねた。18年には国内FA権を取得し、10年目の今季から日本人扱いとなった。しかし、1軍では3勝にとどまり、7月中旬から2軍生活。右肩治療で米国へ一時帰国するなど、満身創痍(そうい)の中での決断だった。

会見中盤、本拠地甲子園のマウンドについて問われたメッセンジャーは、あふれる涙をこらえきれず。顔を真っ赤にして、言葉を詰まらせながら「大きな意味を持った場所」と振り返った。

あと2勝に迫っていたNPB通算100勝については、これまでの登板で勝ち負けがつかなかった試合のうち「2つ勝ちに戻ってくれれば…非常にチクショー」と、冗談交じりに悔しい気持ちを吐露した。

今後については「想像しがたい部分はある。これからは家族と時間をゆっくり楽しみたい」といい、米国に帰って、ゆっくり時間をつくると話した。

9月29日中日戦(甲子園)が自身の引退試合となることも明かし、最後のマウンドに上がる。「最後の投球を見てもらいたい。皆さんに覚えてもらえるような、心に残るような投球をしたいと思います」と、自身のラストに向けて意気込んだ。