一晩たっても信じられなかった。西武辻発彦監督(60)が25日、パ・リーグ2年連続制覇から一夜明け、千葉から移動して仙台に入った。道中では「本当によく勝ったよねって(コーチの)馬場ちゃんと話していた」という。最大8・5ゲーム差から大逆転での2連覇。「よく勝ったよ、本当に。開幕前は誰も西武が優勝するって挙げられなかった。どこにその力があったのか」と、選手たちの底力に驚いていた。

2年契約で来季も続投が決まっている。今季は26日楽天戦(楽天生命パーク)で全143試合を終了。最終戦には首位打者の可能性がある森を温存させる方針を固めた。「手も痛いし、膝も痛い。森は使わない。ずっと気を張っていたと思うし、使わない予定です」。森にも伝え、休養を優先する。

森は1試合を残し、打率3割2分9厘で打率1位。4厘差で4試合を残す2位オリックス吉田正には、計算上16打数8安打以上で超えられる。ハードルは高く「取らせてあげたいし、(森)友哉も取りたい気持ちはやまやまだと思う。抜かれる可能性はあるけど、それはそれでしょうがない」と親心による温存策で、パの全日程が終了する29日まで朗報を待つ。

中村、栗山のベテラン2人も登録抹消し休養をとらせた。「痛いところはそう簡単によくならないけど、疲れをとることが一番」と、万全の態勢で10月9日から始まるクライマックスシリーズファイナルに臨む。【栗田成芳】